羽村の山陵の向こうにうつほ舟浮かぶか!

仮の宿りをこの地にさだめ早一ヶ月。ご近所の評判もよく、夜の稽古の音だしにも耐えてくれています。一日中飛来する米軍機の騒音を耳にしているので寛容なのかもしれません。

仮設劇場建設もようやく半ばを過ぎました。まだ何もない舞台をみつめ沈思黙考する美術監督・淺野雅英と赫十牙。遠くに霞むロケーションを物語にどう取り込んでゆくのか。夕日を浴びて浮かぶ羽村の里景色が鍵になりそうです。今回ははじめての仮設足場材をつかった舞台であり、新展開をみせられるかここが思案のしどころです。

現在のところ5月14日(金)初日は変更ありません。近くに住む水族館ファンのみなさま、ぜひ遊びにきてください。

たとえ明日世界が消滅しようとも

みたび緊急事態が宣言されました。誰に対してどんな防衛をしたいのか昨年から全く一貫性のない施策がくりかえされただけ。政治的なことに口をさしはさむつもりはありませんがあまりにお粗末なこの国の管理体制にはほとほと絶望しています。水族館劇場は「たとえ明日世界が消滅しようとも」芝居を継起しつづける生き方を撰んだ役者徒党。良識ある(そしてしばしば行きすぎたブレーキを踏む)世間にとってはある意味病原菌そのものかもしれません。状況を甘くみているつもりはありませんが自粛はしません。見に来てくれたお客さんは全員収納して幕をあけます。羽村という公演地のアクセス、パンデミック下でも芝居を観たいという希求度、いろんなフィルターを想定してそれが可能と判断しました。密になるから帰ってくださいという対応はとりません。外気をとりいれるためにサイドシートは紗幕に切りかえます。可能な限り対策を実行します。それでも100%ウィルスを防御できるわけではありません。これが水族館劇場にできること。それでも観たいと思っていただけるお客さま、お待ちしています。

仮設劇場での稽古始まる

雨上がりの夜空にたたずむ野外劇場。翌日は一転快晴、強風。幟も天蓋シートもハトメごとひきちぎられた。あたらしい部材の骨組みもグラグラ揺れた。われわれにとっては六年前、三重・芸濃町で鈴鹿颪の洗礼を受けていらいの自然の暴力。もとより山水河原者、なんど飛ばされても修復するぞ。この艱難辛苦を乗り越えてホントに自然と共生できるのだ。役者も続々集まってくる。癸生川栄・鳩親子も稽古に合流。さっそくテーマ曲の練習が始まった。

虹丸やってくる

客席に屋根がかかりいよいよ仕掛け満載の舞台機構の骨組へ。楽屋はほぼ完成。近所のひとたちも役者みずからが建込む姿をみて感心しきり。だいぶ受け入れられつつあるようです。枷小屋は棟梁・秋浜の設計のもと、フルハーネス杉原選手が大活躍。完成まであと少しです。そして舞台で「ぱあどれ」役を拝命する五色青灰鸚哥の虹丸がやってきました。物語の舞台ともなるインドネシアの森林で生まれたばかりの雛。南国のいろ鮮やかな羽を持つ中型鳥。いくつ言葉を教えられるかな?時空を飛び廻る空の使者ははたして黙示録の時代の預言者となれるでしょうか。

近藤ちはるデザインチラシ完成!

待ちに待った宣伝チラシが出来あがりました。デザイナーの「大きな物語を感じさせるモノに」という意向で、カメラマン、イラストレイター三名をひきいてロケーション撮影をおこないました。野戰攻城復活を楽しみにしていてくれたみなさん、クラウドファンディングで経済的危機を助けていただいたみなさんに水族館劇場の熱意がお伝えできればと考えています。これから初日まで徐々に街角に拡散してゆくことと思います。

流浪堂@学芸大学で好評展示中の舞台を彩った音楽をめぐる「世界を何度でもとりもどすために」も今週いっぱい開催です。(木曜定休)この機会をのがすとお眼にかかれないものばかり。桃山・秋浜執筆のリーフレットあり。(無料)お友達をお誘いあわせのうえ、ぜひご来店ください。

舞台にむかう心意気について

参画役者についてひとこと。今回も桃山判断として遠隔地に住む準メンバーは東京に呼びよせません。昨年花󠄁園神社に居残った役者を中心にあたらしいメンバーもくわえ、無理を承知で無理を通さぬ、ニュートラルな自然体で臨みます。コロナ・パンデミックのおかげで気づかされた、観客との関係性の緊張感をすこし和らげ、ほんらいのおおらかな坐を取り戻す芝居になると思います。つねづね桃山は芝居を「あってもなくてもいいもの」と明言してきました。だからこそ伝えられるものもあるのでは。「もし明日、世界が砕けるとも、わたしはリンゴの木を植えつづける」このような心持ちで現実に相対してゆく役者徒党がひとつくらいあってもいい。写真は石井理加、千葉大二郎、伊藤裕作。撮影・中島宏樹

諏訪から羽村へ、移動開始!

長野ベースより運び出された舞台機構の数々が冨士のお山のみまもる中、東京へ向かって大移動を開始しました。

天草の海に 南を指してる羅針盤
椰子の木陰に風が吹く 日本恋しや 恋しや日本
虹が溶けた夜空のはてに 南十字《サザンクルス》の星がまたたく
波が千回砕けたら そこはきっと夢の国 波が千回砕けたら そこはきっと風の国

サイゴン、シンガポール、ボルネオ。騙されて東南アジアの各地に散った島原、天草地方の貧しい漁師の娘たち。当時の日本の悲痛な叫びは今どの国にのしかかってる?「Naked アントロポセンの空舟」5月14日初日、ご期待ください!

後戸の異神、降臨のための結界すがたをあらわす!

近所のかたたちとも仲良くなりつつ建込みは開始された。今回も松尾工務店の協力で新資材アルバトロスを導入。これよりひと月半、徐々に野外儛臺・虹の乾坤が姿をあらわす。高さはこの倍以上になる。アントロポセンをさかのぼりつつ、現在の黙示録的世界に深くコミットしてゆく考える、考え抜く芝居にする決意。まだ未定だが仮設劇場が早くできれば、此処でしかできないプレイベントもとりおこなう。羽村を生誕の地とする中里介山が生み出した転換期の色悪・机竜之介の邪剣のごとく風雲うずまき、魔多羅の神を招来できるか。

宗禅寺境內でビジュアルの撮影

一昨日、桜咲く宗禅寺境內でポスター・チラシの撮影がおこなわれました。この日は早朝から4tトラック2台の資材搬入、楽屋建込み、流浪堂イベントの最終飾り付けと作業がかさなり朝からてんてこ舞いのいちにちでした。感染拡大の世情にあえて一夜の宴を張ることの意味をさぐりながらの野戰攻城。いつもより紙媒体の宣材は遅れていますがそのぶんネット情報はこまめに更新します。SNSと併用してご注目ください。

急遽出演が決まった西表カナタとさすらい姉妹でおなじみ、ヤンキーいちご役の松林彩。
撮影快調。ふたりのカメラマンに指示をあたえるアートディレクター近藤ちはる嬢。

流浪堂プレイベント始まる!

「Naked アントロポセンの空舟」開幕にさきだち、学芸大学駅の古本遊戯 流浪堂で水族館劇場を彩る音楽展「世界を何度でもとりもどすために」が本日よりスタート。今回は音楽にまつわる展示。いままで語られてこなかった音楽のエッセイもリーフレットにして公開します。2年前の「Nachleben 搖れる大地」の主題歌を担当した頭脳警察PANTAと桃山の暴走対談を収録した単行本(PANTA直筆サイン本・限定3部)も展示即売。音楽をたっぷり聴いて5月の野戰攻城に胸高鳴らせてくだされ。運がよければ店主の「乾船渠八號」裏話なども聞けるかも。

世界を何度でもとりもどすために
〜「Naked アントロポセンの空舟」プレイベント

2021年4月3日(土)〜18日(日)・木曜定休

古本遊戯 流浪堂
〒152-0004 東京都目黒区鷹番3丁目6-9 TEL03-3792-3082
東急東横線・学芸大学駅 西口より徒歩3分
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