桃山邑の仰臥漫録②ロシアとシリア


珍しく(というより初めての)推薦図書である。7月に出たばかりの『ロシアとシリア ウクライナ侵攻の論理』東京外大教授 青山弘之著。岩波書店刊。帯にいわく「なぜウクライナは世界の関心を集めシリアは‶黙殺〞」されるのか。

そのとおりである。シリア内戦との相似形を突き進む、やせ我慢の大国と尻に火のついた覇権国家のメンツが中東の泥沼紛争と同じ道を辿らないよう警告を発したタイムリーな時事企画本である。これに関しては岩波書店、エライ!著者は若き中東の政治情勢専門家。いっけん結びつきのないふたつの国だが、さすらい姉妹は一昨年、去年と「モスラ」「のざらし姫」を上演してきた。云うまでもない。前者はロジャバ革命、後者はウクライナ紛争を起点に物語を構成した。ぼくたちの真意は、一方的なマスメディアの自由と民主主義の押し付けに抵抗することだった。ぜひともご一読を!青山先生、頑張れ!