辺境で、大都市で、黒い硝煙が立ちのぼっている。ミャンマー、シリア、コンゴ、イエメン。数え上げたらキリがない。見たくないものは見ようとしない明盲目の国ニッポンで、一方的に垂れ流される自由と民主主義の正義の大合唱。何ひとつ失わない、誰ひとり傷つかない、うわべだけの痛みにはりつめた熱狂。したり顔で解説する、テレビの低脳ぶりに煽られて、リベラルの真の意味も理解できず、わたくしたちの国は暴走してゆく。政治が行き詰まり、世の中が混沌とすればするほど諸現象を善悪のダイコトミーで篩にかけ、彼我の陣営わけを要求する。ショウザフラッグ?そんな詭弁に踊らされない。世界を色分けする国境線をひくな。水族館劇場は絶対の自由を生きるために世の大勢に与しない。これからも深い嘆きとあえかな望みをたたえたカナリアの歌をうたい続ける。この星がこわれる前に。