鬼海弘雄 野外写真展  人間の海2022


鬼海弘雄「東京ポートレイト」より

「王たちの肖像」にみる度外れな世間のひとへの優しくするどい観察眼。「INDIA」にはじまる異国の旅への哀惜。鬼海弘雄はたくさんの写真によるギフトをぼくたちに残して地上を去っていきました。水族館劇場に遺品として託された巨大肖像パネルを生かすために、今回みたびこれらの作品を天幕のあちこちに飾ります。かぎりなく撮られる側によりそった写真師のまなざしに囲まれた野戰攻城はきっと一味ちがう希望を観るかたがたに届けてくれることと信じています。題して「人間の海2022」遠からぬ日に彼と再会するであろう桃山なら「これもふくめて芝居」とうそぶくでしょう。野外儛臺「天颷の鹿砦」開催日にあわせて午後4時よりオープンいたします。今回の野戰攻城は5年前の「盜賊たちのるなぱあく」の再現のごとし。昨年、開演まで手持ちぶさたの時間をすごしたお客さま、今年は時間が足りないくらいのイベントを用意しました。羽村みやげにゼヒご高覧を。

会期:芝居上演日&6/2 16:00〜
料金:無料

鬼海弘雄(きかい・ひろお)
1945年、山形県生まれ。主な作品集に『王たちの肖像 浅草寺境内』『INDIA』『東京迷路』『PERSONA』など。エッセイも手がけた。2020年に逝去。