緊急事態宣言延長。為政者の無策とオリンピックがらみの利権忖度によって世の中は昨春とおなじ状況にからめ捕られようとしています。あきらかに違うのは社会がみずからの判断で生活の舵をとろうとしていること。ここ羽村でも地元のひとびとは慎重に感染症対策をしながら、突然やってきた藝能者の群れに好意的に対応してくれています。この風土は一朝一夕に醸し出されるものではなく、宗禅寺がゆっくりと時間をかけて住民のこころを耕してきたたまものだと心得ています。
さて、幕をあけるについて水族館劇場は独自の観客対応を実行します。詳細は本番数日まえにホームページ・SNSで発表します。今回、前売販売や期日指定をしなかったのはこういう事態を想定したから。あまたあるイベントのように損得勘定さきにありきで複雑、面倒な対応を招きたくなかったからです。お芝居はいつから期日指定、前売り先行となったのでしょう。観劇予定はあくまで未定。天候や個人事情に左右されるのは当たり前なのです。
お上に泣きついておこぼれ金を頂戴しようなどという吝嗇な料簡を蹴っ飛ばしてきたからこそ、げんざいのような事態にもふらつくことなく一貫した発言をできるのです。全国のファンのみなさまが水族館劇場のそういう態度を応援してくれたからこそ成り立つ興行だと思います。感染対策はそのあたりの劇団の右往左往ぶりより精密に実行します。けれどもどれだけ慎重にことを運んでも100%防衛できるものでもありません。最終的にはご自分の判断で。
わたくしたちは可能なかぎり精一杯の舞台をお届けしようと連日稽古と舞台設営に邁進しています。5月14日初日、ご期待あれ!