全国の水族館劇場ファンのみなさま。お待たせしました。パンデミックもなんのその。細心の配慮を施しながら本年度の野戰攻城がはじまりました。今年はお寺とも相談、待ち時間を利用したいろいろな企画をたてました。
宣材であるチラシを印刷後、ウクライナ戦争が始まりました。同時にお世話になっている大島幹雄さんから、本来キエフで行われる予定だったクラウンフェスティバルにエールを送る催しを日本で開催したい。ついては水族館劇場の野外舞台を会場に、という打診がありました。大島さんは膝の悪い親友がキエフに閉じ込められているみたいで本当に心配していました。
日時は5月29日午後1時から3時。決定です。わたくしは藝能の民が政治にストレートな発言をすることを固く戒めてきました。政治こそが藝能に奉仕すべきだと強く信じるからです。その戒めを破ります。報道疲れが出始めたとはいえ、あまりに偏った情報が垂れ流す世界の熱狂には毅然とした声をあげなければならないと考えました。
「プーチンでもない。ゼレンスキーでもない。今すぐに戦争をやめろ」
これはわたくしが敬愛するサパティスタ民族解放軍が出した声明です。リーダーであるマルコス副司令官は、この戦争を基底部で支えるシステムと闘わなければ虐げられ隅に追いやられた者たちの声はとらえられないと強く戦争状態を非難しました。システムとはなにか。自由と民主主義の名の下に富を独占し、弱者を廃棄するグローバル経済を形成する潮流が生み出す支配態勢です。マルコスは豊かさを物資に求めません。こういう至極まっとうなメッセージがあまりにも少ない。この国の報道でまともなバランスを持つのはスポンサーを持たないいくつかのネット番組くらいです。わたくしたちは2003年、アメリカが出鱈目な情報をもとにイラクへ軍事侵攻したとき、翠羅臼や桜井大造とともに抵抗23の旗のもと渋谷で歌舞音曲の反戦デモをくりひろげました。その時だれひとり反戦デモ隊がフセインの味方だなどと考えもしなかったでしょう。アフガニスタンしかり。パレスチナしかり。真実を写す鏡だけが未来の可能性を袂に引き寄せることができるのです。わたくしたちは現代河原者です。風変りな芝居をお見せする藝能者に過ぎません。だからこそ声を大に叫びたい。今すぐ戦争をやめろ!戦争の熱狂をクールに拒否しろ!