舞台にむかう心意気について


参画役者についてひとこと。今回も桃山判断として遠隔地に住む準メンバーは東京に呼びよせません。昨年花󠄁園神社に居残った役者を中心にあたらしいメンバーもくわえ、無理を承知で無理を通さぬ、ニュートラルな自然体で臨みます。コロナ・パンデミックのおかげで気づかされた、観客との関係性の緊張感をすこし和らげ、ほんらいのおおらかな坐を取り戻す芝居になると思います。つねづね桃山は芝居を「あってもなくてもいいもの」と明言してきました。だからこそ伝えられるものもあるのでは。「もし明日、世界が砕けるとも、わたしはリンゴの木を植えつづける」このような心持ちで現実に相対してゆく役者徒党がひとつくらいあってもいい。写真は石井理加、千葉大二郎、伊藤裕作。撮影・中島宏樹