空舟、まもなく発進!

開幕が近づいて来た。空中スペクタクルの劇場機構、水平クレーンを組立て、設置するメンバー。水族館劇場の仕掛けは一つ間違えば命を落としかねない危険なものばかり。慎重の上にも慎重に調整をつづけてゆく。

今回も台本上ではこれでもかとばかりに空中シーンが書き込まれ野外劇場ならではの趣向にあふれている。今回、はじめての公演地でどのような効果を発揮するのか。楽しみに待て。感染対策については観劇するかたへのお願いというかたちで一両日に発表する。ひきつづきホームページ、SNSに注目されたし。

アントロポセンの痕跡噛みしめ稽古白熱!

緊急事態宣言延長。為政者の無策とオリンピックがらみの利権忖度によって世の中は昨春とおなじ状況にからめ捕られようとしています。あきらかに違うのは社会がみずからの判断で生活の舵をとろうとしていること。ここ羽村でも地元のひとびとは慎重に感染症対策をしながら、突然やってきた藝能者の群れに好意的に対応してくれています。この風土は一朝一夕に醸し出されるものではなく、宗禅寺がゆっくりと時間をかけて住民のこころを耕してきたたまものだと心得ています。

さて、幕をあけるについて水族館劇場は独自の観客対応を実行します。詳細は本番数日まえにホームページ・SNSで発表します。今回、前売販売や期日指定をしなかったのはこういう事態を想定したから。あまたあるイベントのように損得勘定さきにありきで複雑、面倒な対応を招きたくなかったからです。お芝居はいつから期日指定、前売り先行となったのでしょう。観劇予定はあくまで未定。天候や個人事情に左右されるのは当たり前なのです。

お上に泣きついておこぼれ金を頂戴しようなどという吝嗇な料簡を蹴っ飛ばしてきたからこそ、げんざいのような事態にもふらつくことなく一貫した発言をできるのです。全国のファンのみなさまが水族館劇場のそういう態度を応援してくれたからこそ成り立つ興行だと思います。感染対策はそのあたりの劇団の右往左往ぶりより精密に実行します。けれどもどれだけ慎重にことを運んでも100%防衛できるものでもありません。最終的にはご自分の判断で。

わたくしたちは可能なかぎり精一杯の舞台をお届けしようと連日稽古と舞台設営に邁進しています。5月14日初日、ご期待あれ!

海辺の街のアントロポセン

流民の都ともいえる長崎うまれの風兄宇内、無念の降板のあと台本の構想、大幅な書き換えを進行中。

人間の息遣いがまだ残っていた頃、この星は黙示録のゆくすえを警告していた。近世から近代にかけてきしみをあげてカタストロフへ墜落していった人間社会。自業自得なのはいうまでもない。それでもわれわれは生きている。なにかしら大いなるものに生かされてあるならば、芝居者にできるのは芝居を世に問うことだ。

たかが芝居、されど現代河原者はここに魂の筵旗をかかげる。5月14日。いまのところ延期なし!

緊急報告 風兄宇内 腰の病で出演断念

千代次と並ぶ看板役者、風兄宇内が無念の降板。感染症とはまったく関係なく元気に稽古に合流していたのですが腰の具合が悪化し、ドクターストップがかかりました。役者本人はなんとか出演を希望したのですが野戰攻城はスペクタクルシーンもたくさんあり、これ以上無理をすれば日常生活に支障をきたすと診断されました。残念ですが今回は出演を見送らせてください。

今回が水族館劇場のラスト公演ではありません。一日もはやく体調をもどし、元のように怪優ぶりを発揮してもらうための降板です。楽しみにしていた皆さん、ごめんなさい。写真は南洋インドネシアの夕暮れ。近世=近代=現代を繋ぐキイワード南十字のまたたくバタビアのちいさな波止場です。

羽村の山陵の向こうにうつほ舟浮かぶか!

仮の宿りをこの地にさだめ早一ヶ月。ご近所の評判もよく、夜の稽古の音だしにも耐えてくれています。一日中飛来する米軍機の騒音を耳にしているので寛容なのかもしれません。

仮設劇場建設もようやく半ばを過ぎました。まだ何もない舞台をみつめ沈思黙考する美術監督・淺野雅英と赫十牙。遠くに霞むロケーションを物語にどう取り込んでゆくのか。夕日を浴びて浮かぶ羽村の里景色が鍵になりそうです。今回ははじめての仮設足場材をつかった舞台であり、新展開をみせられるかここが思案のしどころです。

現在のところ5月14日(金)初日は変更ありません。近くに住む水族館ファンのみなさま、ぜひ遊びにきてください。

たとえ明日世界が消滅しようとも

みたび緊急事態が宣言されました。誰に対してどんな防衛をしたいのか昨年から全く一貫性のない施策がくりかえされただけ。政治的なことに口をさしはさむつもりはありませんがあまりにお粗末なこの国の管理体制にはほとほと絶望しています。水族館劇場は「たとえ明日世界が消滅しようとも」芝居を継起しつづける生き方を撰んだ役者徒党。良識ある(そしてしばしば行きすぎたブレーキを踏む)世間にとってはある意味病原菌そのものかもしれません。状況を甘くみているつもりはありませんが自粛はしません。見に来てくれたお客さんは全員収納して幕をあけます。羽村という公演地のアクセス、パンデミック下でも芝居を観たいという希求度、いろんなフィルターを想定してそれが可能と判断しました。密になるから帰ってくださいという対応はとりません。外気をとりいれるためにサイドシートは紗幕に切りかえます。可能な限り対策を実行します。それでも100%ウィルスを防御できるわけではありません。これが水族館劇場にできること。それでも観たいと思っていただけるお客さま、お待ちしています。

仮設劇場での稽古始まる

雨上がりの夜空にたたずむ野外劇場。翌日は一転快晴、強風。幟も天蓋シートもハトメごとひきちぎられた。あたらしい部材の骨組みもグラグラ揺れた。われわれにとっては六年前、三重・芸濃町で鈴鹿颪の洗礼を受けていらいの自然の暴力。もとより山水河原者、なんど飛ばされても修復するぞ。この艱難辛苦を乗り越えてホントに自然と共生できるのだ。役者も続々集まってくる。癸生川栄・鳩親子も稽古に合流。さっそくテーマ曲の練習が始まった。

虹丸やってくる

客席に屋根がかかりいよいよ仕掛け満載の舞台機構の骨組へ。楽屋はほぼ完成。近所のひとたちも役者みずからが建込む姿をみて感心しきり。だいぶ受け入れられつつあるようです。枷小屋は棟梁・秋浜の設計のもと、フルハーネス杉原選手が大活躍。完成まであと少しです。そして舞台で「ぱあどれ」役を拝命する五色青灰鸚哥の虹丸がやってきました。物語の舞台ともなるインドネシアの森林で生まれたばかりの雛。南国のいろ鮮やかな羽を持つ中型鳥。いくつ言葉を教えられるかな?時空を飛び廻る空の使者ははたして黙示録の時代の預言者となれるでしょうか。

近藤ちはるデザインチラシ完成!

待ちに待った宣伝チラシが出来あがりました。デザイナーの「大きな物語を感じさせるモノに」という意向で、カメラマン、イラストレイター三名をひきいてロケーション撮影をおこないました。野戰攻城復活を楽しみにしていてくれたみなさん、クラウドファンディングで経済的危機を助けていただいたみなさんに水族館劇場の熱意がお伝えできればと考えています。これから初日まで徐々に街角に拡散してゆくことと思います。

流浪堂@学芸大学で好評展示中の舞台を彩った音楽をめぐる「世界を何度でもとりもどすために」も今週いっぱい開催です。(木曜定休)この機会をのがすとお眼にかかれないものばかり。桃山・秋浜執筆のリーフレットあり。(無料)お友達をお誘いあわせのうえ、ぜひご来店ください。

舞台にむかう心意気について

参画役者についてひとこと。今回も桃山判断として遠隔地に住む準メンバーは東京に呼びよせません。昨年花󠄁園神社に居残った役者を中心にあたらしいメンバーもくわえ、無理を承知で無理を通さぬ、ニュートラルな自然体で臨みます。コロナ・パンデミックのおかげで気づかされた、観客との関係性の緊張感をすこし和らげ、ほんらいのおおらかな坐を取り戻す芝居になると思います。つねづね桃山は芝居を「あってもなくてもいいもの」と明言してきました。だからこそ伝えられるものもあるのでは。「もし明日、世界が砕けるとも、わたしはリンゴの木を植えつづける」このような心持ちで現実に相対してゆく役者徒党がひとつくらいあってもいい。写真は石井理加、千葉大二郎、伊藤裕作。撮影・中島宏樹